みなさんこんにちは。
7月21日 日曜日、釜石ライフセービングクラブのライフセーバーさんたちによる‟救命講習会“が岩手スバル花巻空港店にて行われました。その様子を救命講習で学んだ心肺蘇生・AEDの使い方とともにお届けします!
前回のライフセーバーカーのブログもぜひチェックしてくださいね!
episode1↓
episode2↓
それでは、一つのいのちプロジェクト~救命講習会編~をご覧ください✧
講習会には、花巻空港店をいつもご利用いただいている2組のお客様に2部に分けてご参加いただきました。
※ご家族でご参加いただいた2部のお客様に写真掲載の許可をいただいております
小学生のお子様は、初めての救命講習とのことでした。
なかなか小学生で体験する機会がないため貴重な体験でした。
…
いざとなった時、AEDという機械を使うことができますか?
大切な家族や友人、同僚が心停止になった時、自分になにができるのか考えたことはありますか?
一般市民によるAEDの使用が認められてから、15年以上が経ち、街中に設置されているAEDはすでに60万台を超えています。
初めに、心停止のリスクのお話。
救命できる可能性と時間の経過には大きな関係性があります。
よく聞く話ですが、心停止になると、時間が1分たつごとに助かる割合は約10%ずつ低下していきます。
現在の救急車の到着時間は平均でおよそ8.7分。
何もせず救急車を待っていたのでは、助からなくなってしまいます。
そのため、その場に居合わせた人が、1分でもはやく救命の手当てを始めることが重要です。
心停止の見分けるポイント5つ
①意識がない②呼吸をしていない③普段している呼吸と違う④青ざめている⑤痙攣している
また、死戦期呼吸というしゃくりあげる様なゆっくりとした不規則な呼吸は、心停止直後に見られるものです。とにかく、普段通りの呼吸でなければすべて心停止と判断します。
その場合は直ちに心肺蘇生、AEDの使用を開始することが重要です。
心停止のリスクのお話の後、実践へ。
1⃣倒れている人の反応の確認
・周囲の安全確認をし二次災害を防ぐことが第一
・出血箇所がないか確認(真っ赤な血液が噴き出すように出ている状態であれば、心肺蘇生は行わない方がいい場合もある)
・肩をたたきながら「大丈夫ですか?」と声を掛ける
2⃣応援を呼ぶ
・大きな声で「誰かきてください!」と人を呼ぶ
・応援が来たら、「あなたは119番通報をお願いします」「あなたはAEDを持ってきてください」とこちらから人を指定してお願いする
3⃣呼吸の確認
・倒れている人の胸やお腹の動きをみて、呼吸がない、動きがない、普段通りの息をしていないと判断した場合にはただちに胸骨圧迫(心臓マッサージ)を始める
4⃣胸骨圧迫(心臓マッサージ)
胸骨圧迫のキホン~強く・速く・休まずに~
・胸(圧迫位置は胸の中央にある硬い骨の下半分)が5㎝沈むまで体重をかけ、手の付け根で押す
・1分間に100~120回のテンポで
・倒れた人が動き出すか、救急車がくるまで続ける
以上の1⃣~4⃣の流れで実践していただきました。
胸骨圧迫は実際行うと想像よりハードなため、救急車が来るまでの8~9分間ずっと行うとなるととてもきついため、疲れる前に周囲の人と交代しながら胸骨圧迫を行いましょう。
5⃣AEDを使う
・AEDの音声や表示に従い落ち着いて操作する
・AEDを使ったあとはそのまま胸骨圧迫を続ける
AEDは日本語にすると「自動体外式除細動器」といいます。
心電図を自動的に調べて、電気ショックが必要かどうかを判断し、必要な場合に電気ショックを行う機械です。
一般市民が心肺蘇生等を行った場合の救命率(総務省消防庁令和元年版救急救助の現状グラフより) は、
①119番だけ 9.0%
②心肺蘇生あり 17.5%
③AED使用(電気ショックあり) 55.9%
で、心肺蘇生やAEDを使用することで救命率をあげることができるという結果が出ています。
命を救うAEDは、電源を入れるとどの機種も必ず音声で操作方法をお知らせしてくれますが、初めは「パッドを胸に装着してください」と案内があると思います。
パッドには貼る位置が描かれているので、イラストに従って装着してください。
貼る時の注意点!
・汗などで濡れている場合水分はふき取る
・湿布などの貼り薬は全部剥がす
・ペースメーカーが皮フの下に埋め込まれている場合その部位を避けて貼る
また、パッドを貼る時もできる限り胸骨圧迫を続けましょう。
パッドをはる位置の目安としては、右胸上部と左脇腹にはり、心臓を挟む形で貼ります。
お父さんと協力して貼っている姿、かっこよかったですよ
心肺蘇生、AEDの使い方など一連の流れを学ぶことができたいい機会になりました。
そして最後は、ライフガードチューブという水上での救助器材の使い方を教えて頂きました。
一本で、大人二人が浮くことができるくらいの浮力を持つこのライフガードチューブは、約3メートルほどの黒いリーシュ(紐)がついており、救助者はこの黒い紐(ストラップ部分)を肩から、たすき掛けをして溺れている人のところへ向かう仕様になっています。
チューブ本体の両端にはフックがついているので両端のフックを取り付ける事によって、チューブを丸めて浮き輪状にすることが出来ます。
このチューブの良いところは、よく見る空気で膨らませるタイプの浮具とは違い、傷がついても、高密度の発泡ウレタンが詰まっているため、支障なくそのまま使用できる点です。
早速、ライフセーバーさん指導の下、ライフガードチューブを要救助者につける練習をしてみました。
弾力があるため、棒状のものを丸くするのは力が必要ですが、小学生の力でもぎゅっと丸くし、フックをつけることができました!お見事でした!
また、要救助者のもとへ、助けに行く際に気をつけなければいけないポイントがあります。
それは、①必ず浮けるものをもっていくこと②要救助者に近づく際、自分との間に必ず浮具を挟むことです。「直接手を伸ばさない、体に触れないことが大切」とライフセーバーさんから教わりました。
直接触れてしまうと、パニックに陥っている要救助者が必死につかまってくる可能性があり二重事故に繋がります。
但し、これは流れのない場所、確実に安全が確保できる場所での話です。普段からそういった訓練をしている方でも助けに行くことは簡単な行為ではないため、初動は溺れている人に「今、助けるからね」などと声をかけて落ち着かせ、離れた場所から浮くものを渡すことが大切です。
万が一、近くにライフガードチューブのような器具が無い!となった時、レジャー時にありそうな浮けるものとしては、ペットボトルやクーラーボックスがあります。とにかくレジャーで水辺に行く際は、水に浮くものを持っていく、浮具のある場所をチェックしておくことが大切ですね。そして、自分の力を過信せず、無理に助けに行かず二重事故を防ぐことも間違いではありません。
ルールを守って事故に遭わないようレジャーを楽しみましょう!
いかがでしたでしょうか?
最後に花巻空港店と釜石ライフセービングクラブさんで集合写真も撮らせていただきました。
一次救命処置(心肺蘇生、AED)のデモンストレーションもYouTubeで公開中のようですのでレジャーに行く前などにチェックしておくのもいいと思います。
YouTube動画はこちら↓
JLA ACADEMY 一次救命処置(BLS) デモンストレーション
それでは。